Shizuoka Speaks

静岡市における言語学習と文化についての対談集

ご質問にお答えします!

プロジェクトのアイデアはどのようにして思いついたのですか?


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2009年8月に静岡に住み始めて間もなく、このようなプロジェクトを手がけたいと思うようになりました。私は、JETプログラムを通して地元教育委員会のALT(外国語指導助手)として勤務するために日本に来ました。静岡県に来た時、日本の言語教育の構造に関して、他の人々、すなわち、周囲のALTが口にする様々な意見に圧倒されました。 私は、それらALTの考えや懸念に感銘を受ける一方、この議論に日本の学生や教師の声が欠けているので違和感を覚えました。

しかし、この問題が意図的なものではないことは明らかです。さまざまな国籍の参加者で構成されるALTは、来日時には、すでに外国語教育を比較的深く理解しています。 しかし、日本の学生や教師の大部分は、外国語教育を日本の視点から見るだけです。 また、外国語学習の場面では避けられないコミュニケーションの壁があり、複雑な問題を議論することに人々の心が向かいません。真剣な議論も、憶測、努力不足、仕事や学校生活の忙しさのために時間の経過とともに混乱してきます。

しかし、私は実際の授業で、以前に外国に住んだ経験があり外国語教育をかなり理解する学生に出会いました。彼らは、その海外経験、文化、言語能力を表に出すのを躊躇しました。また、静岡市には、アジアを中心とする世界中の様々な国からの学生が大勢いることがわかりました。彼らは、日本語を勉強するために静岡市に来て生活をしており、一般の日本人や外国生まれの英語教師とは交流がほとんどありませんでした。私が会ったこれらの学生は、日本人に話しかけようとしないのだと教えてくれました。また、日本人は、これらの他の外国人についてほとんど知らないということを認めました。外人あるいは外国人のコミュニティには特定の「階層」が存在することは明らかです。

しかし、実情は、それについて話をしたいと考える人はいないか、それについて話をしたいと思うほどの関心がないかのどちらかです。私は、そのとき、言語学習が、学習方法からの異文化交流を含む様々な議論を醸成するための共通基盤になることに気づきました。 私が会った日本人学生は、日本の外で英語教育を経験していました。これらの外国人留学生は、静岡で日本語を学習しています。彼らの教師は注目に値する見解を持っていました。誰かが様々な声を引き出し、まとめるために介入する必要がありました。

私は、ラジオジャーナリズムに携わった経験を持っています。私は、静岡県の非日本語教師を対象に駿河国際研究所が主催する研究助成金の存在を知りました。私は、人々の談話、意見、経験をドキュメントするラジオプロジェクトを作成する資金を得るために2009年11月に助成金を申請しました。駿河国際研究所は、驚くべきことに、私にチャンスを与えてくれました。私は、2010年初頭に助成金を受けて以来、ALTとしての仕事を続けながら、このプロジェクトに取り組んできました!

なぜポッドキャストなのですか?


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理由はたくさんあります。

  • マイクには人をしゃべらせる不思議な力があります。自分の見解に社会的価値があることを自覚するわけです。普段は恐れや羞恥の対象であるものも表現されるようになります。
  • ラジオは非常に親しみやすい媒体です。最高の作家でも再現するのが難しい感情や深みが話す時に出てきます。ゲストは外見について心配する必要がないので、ビデオや写真よりも心を落ち着かせることができます。また、文章表現よりも、ずっと個人的です。
  • 話し手の外見が見えないことは、このプロジェクトの包括的な意味を強調しています。その主要目的の一つは、普段はつながりのない人々をつなぎ、お互いが相手から学べるということを理解する助けになることです。悲しいことですが、外見は人々が交流を避ける理由になっています。デジタルストーリーテリングでは、外見に邪魔されずに、人々の声が共存できます。
  • 言語は、話すことと聞くことに焦点を当てることにより、伝達手段というだけではなく、本当に語りの一部になります。話し手は第二・第三言語でコミュニケーションすることによって、彼らが学習している言語を上達させることができ、ポッドキャストのリスナーも個人レベルでこのプロセスに関わります。
  • インタビューから繰り出される情報が豊富なため、一回だけ(当初の計画)ではなく、シリーズのドキュメンタリーとしてプロジェクトを進める必要がありました。インタビューは非常に多角的で、言語や文化の主なトピックに関連する様々な問題に触れていました。そのため、私たちが理解を深めるためにも、他のさまざまなトピックにスポットライトを当てることは理にかなっていました。
  • 私はラジオジャーナリズムの分野での経験があります。そのため、私は、このプロジェクトを実現する方法について多少の知識がありました。私が知らないことについては、学習するつもりでした。

プロジェクトは日本で行なわれています。なぜポッドキャストは英語なのですか?


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理由はたくさんあります。

  • 私は日本語を流暢にを話せません。
  • 私が日本語を話せたとしても、インタビューから明らかになった主要な二つのポイントは、日本人が英語をもっと使うこと、グローバル言語としての英語の重要性を認識することです。
  • 話し手は英語を使いたがっていました!
  • 母国に関わりなく、リスナーは、出身国に関わりなく、どの言語よりも英語を知っている可能性が高いのです。
  • 言語学習以外に、このポッドキャストでは様々な社会問題を扱っています。そのため、扱われているトピックについての議論を教室およびコミュニティで行なうための理想的なリソースにもなります。繰り返しになりますが、英語のポッドキャストはより広い範囲のリスナーが聞けるのです。
  • ポッドキャストそのものは英語ですが、エピソードにはすべて日本語の翻訳がついており、より多くの日本の人々が利用できるようにしました。

どのようにエピソードの順序やコンテンツを決めたのですか?


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インタビューに基づいてエピソードの内容を決めました。その後で、エピソードを非線形的に配列しました。リスナーが順を追って理解を深める基盤を形成することができるようにテーマやエピソードを構成しました。複数の問題は互いに関連しているため、ポッドキャストの構造は本質的に非線形になるようにしました。

なぜ静岡なのですか?


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いくつかの論理的理由があります。

  • 私は静岡市に住んでいます!
  • このプロジェクトをサポートす研究助成は静岡県で利用できます。

さらに興味深いいくつかの理由:

  • 静岡県の外国人住民の数は全都道府県で3位です(東京、愛知県に次ぐ)。 静岡市は、県庁所在地ですが、日本の他の大都市に比べて規模が大きくないため「典型的な」または「地方の」都市と多くの人々が考えていますが、外国人の人口は顕著に大きくなっています。この対比のおかげで、このプロジェクトの基盤が興味深いものになりました。
  • 私がインタビューした非日本人学生は、静岡市の日本語学校と提携している母国の学校に通っていました。
  • 対象読者は誰ですか?


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    静岡在住の外国人と日本人。一部しか英語を理解しないかもしれないコミュニティを対象としながら、英語で行われるプロジェクトは無意味に思えるかもしれませんが、英語学習の重要な機会にもなります。また、自らのコミュニティについて学ぶための方法でもあります。

    日本の英語教育について知識を深めている非日本人にとっては、このポッドキャストから恩恵を受けるでしょう。

    もちろん、学生もこれに耳を傾ける必要があります!

    他にポッドキャストを聞いて欲しい人はどんな人ですか?


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    • EFLやESなどを中心に教育に従事する人
    • 日本語や英語どを中心に外国語学習/教育に関心がある/従事する人
    • 海外での生活経験に関心がある人
    • 文化、言語、人々などを中心に日本に関心がある人!
    • アジアを中心に世界情勢に関心がある人
    • 世界について異なる経験や考え方を求める人

    どのように知り合いを見つけたのですか?


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    ネットワーキング、ネットワーキング、そして、ネットワーキングです。試行錯誤の連続でした。私は、プロジェクトの最終バージョンで使用したよりも多くのインタビューを行ないました。外国人と静岡の住民の意見がバランスよく配分された意見を持ちながら発言したい人、さらに重要なのは、聞いてもらいたいことがある人を理解するためには、注意深く耳を傾け編集すること、話者に信頼をおくことが必要でした。

    どんな機器やソフトウェアを使用しましたか?


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    Mirantz PMD 661フラッシュメモリ録音機、 Sony MDR7506ヘッドフォン、インタビューなどを録音するためのEV RE50全指向性マイクとAudia Technica AT835指向性マイク。編集はMacbook Proで行ない、DigidesignのMbox 2 Mini ProTools LE Audio Workstationでポッドキャストにまとめました。